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2024年からの新NISAでは、個別株式に投資できる年間の投資枠が120万円から240万円に拡大されました。新NISAの制度下で株主優待がどのような扱いになるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、新NISA口座での取引で株主優待がもらえるかを始め、新NISA口座を活用した株主優待狙いの投資のメリットや注意点、銘柄の選び方などを分かりやすく解説します。
目次
国内株は配当金(企業から分配される利益)だけでなく、株主優待にも期待できる企業が少なくありません。自社製品や金券類、QUOカードなどがもらえる企業もあり、配当金と合算すると実質的に高い利益となる場合もあります。
通常口座と同様に、新NISA口座でも株主優待を受け取れます。新NISAを利用して株主優待狙いの投資も可能です。
新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠を使った投資での利益が非課税になります。個別株への投資は成長投資枠でできます。
両枠を合算して1800万円の投資枠があり、そのうち成長投資枠は1200万円が上限です。つまり個別株は年間240万円、合計1200万円まで非課税で投資が可能です。株主優待がある銘柄を選べば、優待品と配当金の両方を狙えることも魅力です。
新NISA口座を利用して株主優待をもらうメリットは主に下記のとおりです。
NISAは長期の資産形成を目的とする制度です。基本的に長期保有が前提となるため、株主優待がある銘柄へ投資すれば毎年、株主優待を得る楽しみができます。
投資銘柄の株価動向が今ひとつの場合でも、株主優待があれば長期保有のモチベーションになり得ます。
長期的な上昇傾向にある銘柄でも、一時的な株価の低迷は発生します。例えば、日本マクドナルドホールディングス<2702>のように株主優待として割引チケットが毎年もらえれば、株価の低迷時も優待目的で保有し続けられ、結果的に株価上昇を待てる可能性があります。
また、NISA口座は配当金も非課税となり、配当金の受け取りにも税金がかからないため通常の課税口座と比べて有利です(通常は利益に約20%課税)。
株主優待目的で株を買う個人投資家は、長期保有がほとんどです。その結果、株主優待で人気のある銘柄は株式を売却する投資家が少なく、株価は下落しにくくなります。
また株主優待が人気の銘柄はコンスタントに個人株主から買い注文が入ります。よって、株価が下落しても優待利回り(投資額に対してもらえる優待の割合、詳しくはこちら)が上がるとお買い得感から買われ、株価が下げ止まりやすい傾向もあります。
人気優待銘柄に投資することは、継続的に優待がもらえるだけではなく、将来的な株価上昇が期待できる銘柄に投資している面もあるといえるでしょう。
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新NISA口座で株主優待銘柄に投資する際の注意点を2つ解説します。
新NISAの成長投資枠は年間上限240万円です。一方、国内銘柄を購入するには通常100株単位(1単元)からとなっています。例えば株価が1万円前後の銘柄の場合、新NISAでは年間2銘柄程度しか購入できません。
株主優待銘柄に投資する際は、成長投資枠の年間上限額と投資したい銘柄の1単元の投資金額に注意が必要です。
優待狙いの投資であっても、個別株への投資に変わりはありません。投資した銘柄の業績などが大きく変わり、株価が急落した際などには損切りも必要です。株主優待を優先し過ぎると、大きな投資資金で安い株主優待をもらうという悪循環に陥りかねません。
新NISAでは売却した投資枠は翌年以降、再利用できます。よって投資先企業の業績急変などで大きな含み損となった場合は、タイミングを見て損切りがおすすめです。
【新NISAで株主優待をもらう流れ】
新NISAで株主優待をもらうには、まずNISA口座の開設が必要です。おすすめは、NISA口座での国内株式売買手数料が無料のSBI証券、楽天証券、松井証券、auカブコム証券、マネックス証券などです。
NISA国内株式売買手数料 | |
---|---|
SBI証券 | 0円 |
楽天証券 | 0円 |
松井証券 | 0円 |
auカブコム証券 | 0円 |
マネックス証券 | 0円 |
なお、NISA口座の開設は1人1つまでと決まっています。開設後に他の金融機関に口座を変えたくなった場合は、既存と新規の金融機関へ連絡が必要になるなど手間と時間がかかります。よって口座開設先は慎重に決める必要があります。
NISA口座の申し込みは上表の各社公式サイトから可能です。なお口座開設申込にはマイナンバー確認書類や本人確認書類の提出が必要となります。
株主優待銘柄は企業の割引券、QUOカード、お米など実用的なものが人気の傾向にあります。
株主優待をもらうには、ほとんどの銘柄で100株(1単元)以上を持っていることが条件です。また1年以上の継続保有など保有期間の条件がある銘柄もあります。株主優待を受け取る条件は銘柄によって異なるため注意しましょう。
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株主優待を受け取るには、権利付き最終日までに株を買う必要があります。優待のある月の月末ではありませんので要注意です。
そのため各銘柄の権利付き最終日のチェックが不可欠。権利付き最終日は権利確定日の2営業日前です。例えば30日(水)が権利確定日なら、28日(月)が権利付き最終日です。
なお権利確定日の翌日は権利落ち日と呼ばれており、株価が下落しやすい傾向にあります。権利落ち日に株を売ってしまっても株主優待はもらえます。
権利付き最終日に株式を保有していれば、権利確定日から2~3カ月後に株主優待が登録した住所に送られてきます。
なお、株主優待でもらえる商品の内容を自分で選べる場合、書類に記載して返送する手続きが必要なことがあります。書類の返信期限には注意が必要です。
新NISAで投資する株主優待銘柄の選び方はあるのでしょうか。チェックポイントを見てみましょう。
新NISAでは個別株に投資できる年間の上限枠が240万円までに拡大されました。しかし上限があることには変わりありません。そのため優待利回りの高い銘柄に投資したいものです。
優待利回りとは、投資金額に対する株主優待のリターンのこと。株主優待でもらえる商品を金額に換算して、投資金額で割れば分かります。
優待利回り(%)= 株主優待の商品金額 ÷ 投資金額 × 100
例を挙げると、投資金額10万円の銘柄に投資して年間1000円のQUOカードがもらえるとすると、優待利回りは1.0%です。
自社サービスの割引券などの場合は非常に高い優待利回りとなることもあります。ただし、ほとんど使う機会がないサービスでは意味がありません。優待利回りだけでなく、自分が利用するかどうかも考慮する必要があるでしょう。
株主優待を行っている多くの銘柄は同時に配当も行っています。株主優待に加えて配当も受け取ることができればより多くの利益を得られます。株主優待を目的に投資を行う際は配当利回りも確認しましょう。
配当利回り(%)= 1年間の受取配当金 ÷ 投資金額 × 100
例を挙げると、10万円の投資金額で年間3000円の配当金を受け取ることができる銘柄は配当利回り3.0%です。通常口座で投資すると、配当金にも課税されるため約20%の税金を差し引かれた金額を受け取ることになります。しかしNISA口座なら配当金への課税がありませんので手元にまるまる利益が入ります。
業績が悪化すると多くの企業は配当金を減らします(減配と呼ばれます)。このため業績悪化によって株価が下落しても、減配発表前は配当利回りが高い状態が維持されます。そのため配当利回りが他銘柄に比べて極端に高い銘柄の場合、減配リスクがあり、業績の確認が欠かせません。
NISA口座で個別株に投資すれば株式の売却益も非課税となります。優待狙いの場合でも、売却益によるさらなる利益の積み増しも視野に入れてみましょう。今後、株価の上昇が期待できるかどうかはPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)に注目することで分かります。
PERやPBRは株価が割安か割高かを判断する指標です。
PERは、株価が1株当たり当期純利益に比べて何倍で買われているかを示す指標です。業種や上場市場によって平均値は異なりますが、同業で同規模の上場企業に比べて低い数字なら割安と判断できます。
PBRは、株価が1株当たり純資産に比べて何倍で買われているかを示す指標です。1倍を割ると割安と判断されます。東京証券取引所はPBR1倍割れの企業に対し改善を促しています。PBR1倍割れの銘柄は自社株買いの実施などにより今後、株価が上昇する可能性があります。
銘柄によっては、長期保有により株主優待の内容がランクアップする場合があります。
例えば日本電信電話(NTT)<9432>の場合、2年未満の保有者には株主優待がありません。しかし2年以上の継続保有時にdポイントが1500ポイント、さらに5年以上の保有時にdポイント3000ポイントの株主優待がもらえます。
NISA口座は生涯非課税で投資できるため長期投資と非常に相性が良いです。NISAで長期保有して株主優待のさらなる優遇を視野に入れましょう。
これまでに紹介した観点からピックアップしたおすすめ優待銘柄を3銘柄取り上げます
【新NISAおすすめ株主優待銘柄の条件】
優待内容 | QUOカード500円相当(3年以上の保有で同1,000円相当) |
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最低投資額 | 72,100円 |
事業内容 | 自動車樹脂部品の製造販売 |
権利確定月 | 3月 |
ダイキョーニシカワはマツダ系列の自動車部品メーカー。バックドアなどの自動車樹脂部品の製造販売を行なっています。優待は100株でQUOカード500円分ですが、3年以上継続して持っていれば1000円分にアップします。
優待内容 | UCギフトカード 500円相当(3年以上の保有で同1,500円相当) |
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最低投資額 | 91,900円 |
事業内容 | 発煙筒などの化薬・化学品生産 |
権利確定月 | 3月 |
カーリットホールディングスは創業100年を超える発煙筒などの化薬・化学品生産を行う会社。優待は100株でUCギフトカード500円分ですが、3年以上継続して持っていれば1500円分にアップします。
優待内容 | QUOカード500円相当(1年以上の保有で同1,000円相当) |
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最低投資額 | 82,400円 |
事業内容 | 自動車のエンジン部品等の製造販売 |
権利確定月 | 3月 |
カネミツは自動車エンジン部品等の製造販売を行う会社。優待は100株でQUOカード500円分ですが、1年以上継続して持っていれば1000円分にアップします。
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ネット証券の多くはNISA口座内での国内株式の取引手数料が無料です。そのためNISA以外のサービス面も考慮して口座を開設することがおすすめです。
つみたて投資枠の銘柄 | 投資信託:218本 |
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成長投資枠の銘柄 | 国内株式:東証・名証・福証・札証上場の全銘柄 投資信託:1,155本 米国株式:5,000超 ほかETF・外国株式(中国・韓国・ロシア・ベトナム・インドネシア・シンガポール・タイ・マレーシア) |
SBI証券ならVポイントやPontaポイントなどで株式や投資信託へのポイント投資ができるため身近なポイントサービスを有効活用できます。
また米国株を始めとする9カ国の株式に投資できるなど、外国株投資の選択肢が豊富です。
さらにSBI証券はネット証券屈指のIPO取扱実績を誇ります。IPO銘柄の取扱が少ない証券会社だと、IPO投資の機会が少なくならざるを得ません。毎年多数のIPO銘柄を取り扱うSBI証券ならコンスタントにIPO投資のチャンスがあります。
このようにSBI証券はNISAを含むトータルの投資で使い勝手のよいネット証券です。
つみたて投資枠の銘柄 | 投資信託:213本 |
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成長投資枠の銘柄 | 国内株式:東証・名証・福証・札証上場の銘柄(福証・札証の単独上場銘柄除く) 投資信託:1,120本 米国株式:4,500超 ほかETF・外国株式(中国・インドネシア・シンガポール・タイ・マレーシア) |
楽天証券なら、国内屈指のポイントサービスである楽天ポイントを利用してポイント投資も可能です。国内株や投資信託に加えて、米国株も楽天ポイントで投資できます。ポイントで米国株に投資できるネット証券はまだほとんどありません。
さらに楽天カードを活用して投資信託のクレカ積立を行うことでもポイント還元を受けられます。もちろん新NISAにも対応しています。
楽天市場や楽天トラベルなど、楽天グループのサービスを日ごろから利用している方には、楽天証券が特におすすめです。
新NISAは株式売却益や配当が無税というメリットもあり、株主優待狙いの投資口座としても有効活用できます。また、年間120万円までだった個別株の投資枠が240万円にまで拡大したのも朗報です。
ただし、株主優待をもらうには1単元(100株)以上の株式保有を条件とする銘柄がほとんどであり、高株価の銘柄は新NISA口座では投資できる銘柄数が限られてしまう点には要注意です。
新NISA口座で優待狙いの投資を行う際は、優待内容や銘柄の業績などに加えて優待を得られる条件の確認も必要です。優待狙いの投資といえども個別株投資には変わりありません。事前の準備や下調べを十分に、新NISAを有効活用して株主優待を狙いましょう。
同一名義なら、合算された株数で株主優待を受けられます
課税口座、NISA口座それぞれ単独では株主優待を受けるための最低株数に達しない場合、両口座を併用して優待がもらえる最低株数とする方法があります。ただし課税口座の分は、売買益や配当に課税される点には注意しましょう。
権利付き最終日に株主であればもらえます
買い直しを行っても、権利付き最終日に株主なら株主優待を受け取れます。よって買い直しを行う際は、権利付き最終日の確認が必要不可欠です。ただし長期保有で優待内容が優遇される銘柄は、買い直しにより保有期間がリセットされてしまうため注意しましょう。
いざ、NISAを始めよう!と思っても、数ある金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。そこで、多くの人に支持されている金融機関を、独自のサービスやおすすめ情報と併せてご紹介します。
SBI証券
松井証券
auカブコム証券
楽天証券
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新NISAで株主優待はもらえないって本当?株主優待をもらう流れや銘柄の選び方を解説
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