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資産形成に興味がある人の中には、「クレカ積立」について気になっている人も多いのではないでしょうか。クレジットカードを使って積立投資を行う「クレカ積立」にはメリットが多い一方、デメリットや注意点もあります。
この記事では「クレカ積立」とはどのようなものか詳しく解説します。新NISAを活用してのクレカ積立におすすめの証券会社や、具体的な始め方なども紹介しますので参考にしてみてください。
目次
「クレカ積立」は、クレジットカードを使って投資商品を定期購入できるサービスです。クレカ積立はクレジットカードで代金を決済するため、投資で使う証券口座に資金が入っていなくても商品を購入できます。
クレカ積立の対象になる投資商品は「投資信託」が一般的です。しかし一部では投資信託以外でもクレカ積立ができるところもあり、例えば楽天証券では金・銀・プラチナ、セゾンポケットでは株式やETF(上場投資信託)などもクレカ積立が可能です。
なおクレカ積立は、全てのクレジットカードがどこの金融機関でも自由に使えるわけではありません。利用できるカードの種類は証券会社ごとに異なります。また、クレカ積立に対応していない金融機関も多いのが現状です。
クレカ積立ができる証券会社は複数ありますが、その中からどこを選ぶべきなのか、迷ってしまうかもしれません。そんなときは以下のような点に着目して選んでみましょう。
それぞれ解説します。
クレカ積立を始めるときは、ポイントの貯まりやすさ(ポイント付与率)を確認してみましょう。特に、年会費無料で使えるクレジットカードの付与率が重要です。
年会費がかかるカードは、無料のカードよりポイント付与率が高い場合もあります。しかし、普段の買物での利用が少ないと、もらえるポイントより支払う年会費の方が高くなってしまう可能性もあります。
例えばSBI証券で「三井住友カード プラチナプリファード」を使ってクレカ積立をする場合、付与率は5.0%とかなり高めですが、年会費が3万3000円かかります(税込)。
SBI証券のクレカ積立の上限は5万円なので、1年間にクレカ積立でもらえるポイントの上限は5万円×5.0%×12カ月=3万円相当。クレカ積立のみの利用では、年会費の元を取ることができません。
金融機関名 | クレジットカード名 | ポイント付与率 |
---|---|---|
SBI証券 | 三井住友カード(NL)等 | 0.5% |
楽天証券 | 楽天カード | 【代行手数料が年率0.4%以上の投資信託】 【代行手数料が年率0.4%未満の投資信託】 |
auカブコム証券 | au Payカード | 1.0% |
マネックス証券 | マネックスカード | 1.1% |
PayPay証券 | PayPayカード | 0.7% |
tsumiki証券 | エポスカード | 0.1~0.5% (積立年数による) |
大和コネクト証券 | SAISON CARD Digital、セゾンカード、UCカード | 0.1~0.5% (積立額による) |
スマートプラス (セゾンポケット) |
セゾンカード、UCカード | 0.1~0.5% (積立額による) |
証券会社ごとにクレカ積立に対応している投資信託の数も異なります。なるべく取扱数が多い証券会社を選んでおくと、自分にぴったりの商品を見つけられる可能性が上がります。
証券会社によっては、厳選された数本の銘柄にしか投資できない場合もありますので注意しましょう。
金融機関名 | 銘柄数 |
---|---|
SBI証券 | 2,581本 |
楽天証券 | 2,403本 |
auカブコム証券 | 1,799本 |
マネックス証券 | 1,756本 |
PayPay証券 | 117本 |
tsumiki証券 | 5本 |
大和コネクト証券 | 51本 |
スマートプラス (セゾンポケット) |
2本 |
投信残高ポイントサービスとは、投資信託の保有金額に応じてポイントが付与されるサービスです。少しでもお得に投資したいなら、クレジットカードのポイント付与率だけではなく、こちらも確認しておくのがおすすめです。
クレカ積立は長期間にわたって行うケースが多いため、投信残高ポイントサービスの内容が充実している証券会社を選ぶ方が有利です。
金融機関名 | サービス名 | たまるポイント | 内容 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 投信マイレージ | 5種類(Vポイント、Pontaポイント、dポイント、PayPayポイント、JALのマイル※1)から選択 | 月間平均保有金額の0.0175~0.25% (選ぶポイントや投資信託による) |
楽天証券 | 投信残高ポイントプログラム | 楽天ポイント | 月間平均保有金額の0.017~0.053%※2 |
資産形成ポイント(ハッピープログラム) | 毎月末時点の保有金額が初めて基準に到達したら10~500ポイント | ||
auカブコム証券 | 資産形成プログラム | Pontaポイント | 月間平均保有金額の0.005~0.24% |
auの投資信託ポイントプログラム | auの投資信託(4本)の保有金額の0.02~0.1% | ||
マネックス証券 | 投信保有ポイント | マネックスポイント | 月間平均保有金額の0.01~0.08%※3 |
PayPay証券 | なし | - | - |
tsumiki証券 | なし | - | - |
大和コネクト証券 | なし | - | - |
スマートプラス (セゾンポケット) |
なし | - | - |
2024年1月1日からスタートの新しいNISA(新NISA)でも、クレカ積立が可能です。前述の3点の選定基準(年会費無料カードのポイント付与率、取扱銘柄数、投信残高ポイントサービス)をスコアリングした結果を、新NISAでクレカ積立をするならどの証券会社がおすすめかランキング形式で紹介します。
クレカ積立ポイント付与率 | 0.5~5.0% (年会費無料カード:0.5%) |
---|---|
投信残高ポイントサービス | 月間平均保有金額の0.0175~0.25% (選ぶポイント・投資信託による) |
貯まるポイント | クレカ積立:Vポイント 投信残高ポイントサービス:5種類(Vポイント、Pontaポイント、dポイント、PayPayポイント、JALのマイル※1)から選択 |
銘柄数 |
|
最低投資額 | 100円 |
三井住友カードにはいくつかの種類がありますが、クレカ積立の付与率はカードランクごとに以下のように決められています。
一般カード | 0.5% |
---|---|
ゴールドカード | 1.0% |
プラチナカード | 2.0% |
プラチナプリファードカード | 5.0% |
実はSBI証券では、三井住友カード以外にもクレカ積立に対応しているクレジットカードがあります。ただ、仲介口座(カード会社などを通じた口座)の開設が必要だったり、付与率が低かったりすることもあるので、三井住友カードの利用が最もおすすめです。
また、SBI証券は「投信マイレージ」で貯まるポイントの種類が選べるのも特長です。ポイントの使い勝手の良さを求める人に向いているでしょう。
クレカ積立ポイント付与率 | 1.1% |
---|---|
投信残高ポイントサービス | 月間平均保有金額の0.01~0.08%
|
貯まるポイント | マネックスポイント |
銘柄数 |
|
最低投資額 | 100円 |
SBI証券と同率1位になったのが、マネックス証券です。
クレカ積立に対応している証券会社の中でも、年会費無料のカードでの付与率が最も高いのが特長です。また、期間限定でポイント付与率アップのキャンペーンを実施していることもあるので、条件が合えばよりお得に投資できるでしょう。
マネックス証券はポイント付与率を最も重視したい人におすすめの証券会社です。
クレカ積立ポイント付与率 | 1.0% |
---|---|
投信残高ポイントサービス | ・月間平均保有金額の0.005~0.24% ・auの投資信託(4本)の保有金額の0.02~0.1% |
たまるポイント | Pontaポイント |
銘柄数 |
|
最低投資額 | 100円 |
auカブコム証券×au PAYカードの組み合わせなら、年会費無料のカードでも1.0%還元です。さらに「auマネ活プラン」に加入すれば1.5%になり、au PAYゴールドカードとNISA口座がある人なら1年間限定で3.0%(2年目以降は2.0%)になります。
auカブコム証券には、au回線を利用している人限定で株式売買時の手数料が割引になるサービス(auで株式割)もあります。年会費無料のカードでも1.0%還元であり、さらにauユーザーにはもっとお得なおすすめの証券会社と言えます。
クレカ積立ポイント付与率 | 0.5~1.0% (年会費無料の場合0.5%) |
---|---|
投信残高ポイントサービス | ・月間平均保有金額の0.017~0.053%(※対象銘柄限定) ・毎月末時点の保有金額がはじめて基準に到達したら10~500ポイント |
貯まるポイント | 楽天ポイント |
銘柄数 |
|
最低投資額 | 100円 |
楽天ユーザーにおすすめなのが、楽天証券×楽天カードの組み合わせです。付与率はカードランクと代行手数料に応じて以下のように設定されています。
代行手数料 年率0.4% (税込)未満 |
代行手数料 年率0.4% (税込)以上 |
|
---|---|---|
一般カード | 0.5% | 1.0% |
ゴールドカード | 0.75% | |
プレミアムカード | 1.0% |
代行手数料とは、信託報酬(投資信託の運用管理にかかる手数料)のうち楽天証券が受け取る分を指します。低コストなインデックスファンドを選ぶ場合は、ほとんどが「年率0.4%未満」に該当するでしょう。
楽天証券で貯まる楽天ポイントは、楽天市場など同社グループのサービスをよく利用する人なら使い勝手がよいでしょう。クレカ積立でも、楽天ポイントを使って投資信託を購入することができます。楽天証券は投資にも便利に使える楽天ポイントがさらにお得に貯まる証券会社です。
クレカ積立の主なメリットは次の点です。
それぞれ見ていきましょう。
クレカ積立の最も大きなメリットと言えるのが、ポイント還元を受けられてお得になる点です。
新NISAは一生涯ずっと非課税で投資できるため、長期間にわたって毎月コツコツと積み立てていく人も多いでしょう。証券口座から直接引き落とすのではなく、クレジットカードで支払うことで、長期的に見るとかなり多くのポイントが貯まる可能性があります。
得られるポイント数によっては、運用で多少の損失が出てもカバーできるかもしれません。
クレカ積立は、なるべく手間をかけずに投資したい人にも向いています。クレカ積立の場合、証券口座の残高を気にする必要がなく、都度入金する手間も省けます。
クレカ積立では、最初の積立設定さえできれば、あとは毎月自動的に投資されます。そのため一度積立がスタートすれば購入を忘れる心配がなく、日々の値動きを気にする必要もありません。
ほったらかしで投資できるので、多忙な人でも取り組みやすいでしょう。
クレカ積立では、基本的に一定額を毎月という一定間隔で投資していくことになります。これは「ドルコスト平均法」と呼ばれる、リスクを抑えて投資する手法を自然と実践していることになります。
ドルコスト平均法とは、定期的に定額ずつ金融商品を購入していくことを指す用語です。ドルコスト平均法なら、価格が安いときにはたくさん購入し、価格が高いときには少なく購入することになるため、平均購入単価を抑えやすくなります。
また、一度に大金を投資するのではなく、購入時期を分散させることで、たまたま価格が高いタイミングで購入して損をしてしまう「高値づかみ」のリスクを軽減することが期待できます。
投資や資産運用というと、多額の資金が必要だと思っている人も少なくありません。しかし、クレカ積立は月100〜1,000円程度で始められることが多いです。
少額の投資なら、損失が出たときのダメージも最小限で済みます。まずは少額から始めて、慣れてきたら増額するということも可能です。
ただし、100円のような少額で始めた場合は、ポイント還元を受けられない可能性があるので注意が必要です。例えば「200円ごとに1ポイント付与」というルールのカードの場合、100円だけの利用だとポイントがつきません。
合わせてこちらもチェック!
クレカ積立のデメリットや注意点も理解しておきましょう。主に次の点が挙げられます。
それぞれ解説します。
クレカ積立のデメリットとして、買付タイミングの自由度の低さが挙げられます。
通常の投資信託の積立では、積立頻度や積立日を自分で自由に選べることが多いです。しかしクレカ積立では、月1回決められた日付で買い付けることになります。
例えば、SBI証券では通常の積立なら「毎日」「毎週」「隔月」などの頻度も選択でき、積立日も自分の都合に合わせて好きな日を設定できます。複数の日を選択することも可能です。しかし、クレカ積立だと「毎月第1営業日に積立」しかできず、自由度が失われます。
クレカ積立のポイント付与率などは、将来的に変更される可能性があることを知っておきましょう。
今「この証券会社が一番お得だ」と思って利用し始めても、今後ポイント制度が改悪されたり、他社がもっと高い付与率を出してきたりするかもしれません。長期にわたって投資を続けているうちに得られるポイントが当初の想定より少なくなるリスクは、どの証券会社にもあります。
しかし、「変更=改悪」とは限りません。例を挙げると、楽天証券では一度2022年に付与率を引き下げましたが、その後2023年には引き上げるという変更を行っています。
クレカ積立をするときは、クレジットカードのショッピング枠を使うことになります。普段よくカードを利用する人の場合、ショッピング枠(利用可能額)が積立と日常の買物の両方に使われることで空きがなくなり、商品を購入できなくなる可能性があります。
決済できなくならないよう、事前にショッピング枠の上限を確認しておくとよいでしょう。また、あわせて、残高不足でクレジットカードの代金引き落としに失敗することがないよう気を付けましょう。
クレカ積立をするなら、新NISAを活用するのがおすすめです。新NISAは2024年1月からスタートした新しいNISA制度で、運用で得た利益に税金がかからずに済むというメリットがあります。
例えば、月5万円ずつ年3%で20年投資したとき、元本は1,200万円、運用の利益は約441万円です。この場合、通常は利益に対して20.315%かかるはずの税金がNISAを利用していれば非課税になるため、約90万円の節税になる計算です。
新NISAを利用するには「NISA口座」が必要です。お得に投資したいなら、NISA口座でのクレカ積立に対応している証券会社を選びましょう。
新NISAは2023年までのNISAに比べて、非課税で投資できる金額や投資できる期間などが拡大しています。以下の2つの枠がありますが、クレカ積立はどちらの枠でも可能です。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 (1年間に投資できる金額の上限) |
120万円 | 240万円 |
投資可能期間 | 無期限 | |
非課税保有限度額 (一生涯に投資できる金額の上限) |
1,800万円 うち成長投資枠の上限1,200万円 |
|
投資商品 | 投資信託※1 | 国内株式※2 外国株式 投資信託※3 ETF、REIT |
なお、クレカ積立の上限額は証券会社によって異なります。
クレカ積立を始める際の流れは、以下のとおりです。
まずは証券会社の公式サイトなどから口座開設の手続きを行います。その後、クレジットカードを登録し、積立に必要な設定を行えば、後は毎月自動的に継続して投資が行われていきます。
銘柄や金額の変更などの手続きも、証券会社のマイページ(口座開設者専用のサイト)などから可能です。分からないときは、証券会社のサポート窓口に問い合わせることもできますよ。
クレカ積立を利用すれば、ポイントが貯まってお得に投資できます。投資の手間を省きたい人やリスクを抑えたい人にもおすすめです。
また、クレカ積立は2024年から始まった新NISAとも相性が良いです。新NISAをきっかけに、クレカ積立で投資を始めてみてはいかがでしょうか。
クレカ積立でも複数の銘柄を買えます
購入する銘柄数に制限はないため、複数の銘柄の積立も可能です。ただ、選定や管理が大変になるので、初心者はまず1つの銘柄に絞るという作戦も有効です。分散投資でリスクを抑えたいなら、全世界株式型のインデックスファンドなどに投資すれば、1銘柄だけでも充分に分散投資の効果を得られます。
クレカ積立は家族カードではできません
クレカ積立は、契約者の本人名義のカードで行う必要があります。家族カードでの投資は、贈与とみなされて課税対象になることもあるので注意が必要です。
その他、カード代金の引き落とし先が本人以外の名義の口座になっている場合や、ビジネスカードやデビットカードなども一般的にはクレカ積立の対象外です。
各社の積立設定締切日を確認しましょう
クレカ積立はいつからでも始められます。ただ、積立日やそれに間に合うよう手続きする期限(積立設定締切日)は各社ごとに決められています。例えば「4月からスタートしたい」など希望がある場合は、3月の積立設定締切日までにカードの作成、口座開設、クレカ積立の設定まで終わらせておきましょう。
積立設定締切日は、土日祝日など非営業日に当たる際は前後することがあります。
受け取ったポイントには税金はかかりません
クレカ積立で多くのポイントを受け取っても、通常は課税対象になりません。ただ、そのポイントを使ったときに課税対象になるケースがあります。具体的にはポイ活などで数十万円単位でポイントを獲得して使っている人ですが、確定申告が必要になることもあります。
手続きは不要です
すでにNISA口座でクレカ積立をしている人は、2024年以降、その金融機関で新NISAの口座が自動的に開設されます。今までと同じ積立設定が引き継がれるため、自分で何か手続きする必要はありません。
いざ、NISAを始めよう!と思っても、数ある金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。そこで、多くの人に支持されている金融機関を、独自のサービスやおすすめ情報と併せてご紹介します。
SBI証券
松井証券
auカブコム証券
楽天証券
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【新NISAも】クレカ積立のおすすめ証券会社は?注意点や設定方法も解説
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