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iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)を利用しているものの、何らかの不満や不便があって、「iDeCo口座の金融機関を変更したい」と思っている人もいるかもしれません。
iDeCoの金融機関変更にはいくつかの注意点があり、デメリットもあるため通常はあまりおすすめできません。ただ、それでも変更を検討したほうがいいケースはありますので、それはどんな場合なのか解説します。
また、金融機関を変更するときの手続き方法についてもあわせて紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
目次
iDeCoで金融機関(運営管理機関)を変更するときのデメリットとなるのが、次の3つです。
それぞれ注意点もあります。詳しく見ていきましょう。
iDeCoの金融機関を変更する際、金融機関によっては手数料がかかる場合があります。大きく分けて次の2種類です。
どちらも「移換時手数料」や「運営管理機関変更時手数料」といった名前で呼ばれています。②は無料で済む場合が多いですが、①は要注意です。
iDeCoの口座開設先として人気の高いネット証券(インターネット専業の証券会社)では、①の手数料として「1回あたり4400円(税込)」のように設定されていることが多いです。
手数料は金融機関の公式サイトや問い合わせ窓口などで確認できますので、あらかじめ調べておきましょう。
ただ、変更時の手数料だけにこだわって変更先の金融機関を選ぶのは本末転倒といえます。今後は変更せずに済むよう、目先の手数料だけでなく、使い勝手や選べる投資商品などさまざまな点を勘案して、納得いくところを選びたいですね。
手数料を支払ってでも、iDeCo口座の金融機関を変更すべき人はこちらで解説しています。
iDeCoでは金融機関を変更する際、それまで運用していた商品を新しい金融機関にそのまま持っていくことができません。
移換(別のところに資産を移す)時は、基本的に以下のような流れで進んでいきます。
自分で作業する必要があるのは③だけで、あとは金融機関が自動的に行ってくれます。ただ、いったんすべての保有商品を売却して現金化したうえで再度購入という手順になるため、多少の手間と時間がかかります。
現金化によって、たまたま価格が下がっているタイミングに実行されるなどして損失が出る可能性もあります。
また、iDeCoで選べる運用商品は金融機関ごとに違うため、今までと同じ積み立てをしたいと思っても、また同じ商品が選べるとは限りません。
さらに、新たな金融機関ではそこで積み立て始めたあとの結果しかわからないため、iDeCo開始時から今までの全期間のリターンを確認したいときには不便かもしれません。
このように「金融機関変更=今までの積み立てをリセット」となることで、さまざまなデメリットが生じます。
iDeCoの金融機関変更は、手続きに2~3カ月程度かかるのが一般的です。
基本的に郵送で書面をやりとりしての手続きになりますし、上述のとおり移換にはいくつもの手順を踏む必要がありますので、どうしても時間がかかってしまいます。
また、移換中の2~3カ月のあいだは、掛金の積み立ても運用商品の売買もできなくなります。iDeCoに取り組んでいるのに積み立てができないのはロスですし、このときに大きく相場が動くようなことがあっても何も動けません。
ただ、iDeCoはあくまで「長期投資」を前提としていますので、基本的に毎日相場をチェックしたり短期間で商品を変えたりする必要はありません。
たとえ相場が変動するときでも、数カ月積み立てできない状態になっても、次で紹介するケースにあてはまるのなら、デメリットよりメリットが大きくなる可能性が高いでしょう。
上述のとおり、iDeCoの金融機関を変更するのはデメリットが多いため、あまりおすすめはできません。
ただ、そのデメリットを受け入れてでも変更したほうが良いケースもあります。ここからは、iDeCoの金融機関を変更したほうが良いのはどんな場合か、具体的に見ていきましょう。
iDeCoでは、加入するときも運用している最中にも以下のような手数料がかかります。
手数料の内訳 | 金額 | |
---|---|---|
①加入手数料(加入時のみ) | 2829円 | |
②口座管理 手数料 |
収納手数料 (国民年金基金連合会へ支払い) |
毎月105円 |
事務委託手数料 (事務委託先:信託銀行などへ支払い) |
毎月66円 | |
運営管理手数料 (加入する金融機関へ支払い) |
毎月0~数百円 | |
③投資信託の信託報酬(保有期間中) | 年0.1%~ 2%程度 |
上表①~③のうち金融機関によって差が出るのは、②口座管理手数料の中の「運営管理手数料」と③投資信託の「信託報酬」の2つです(③についてはこちら)。
②口座管理手数料は、iDeCoで積み立てをしているあいだ毎月ずっとかかり続ける手数料です。そのなかでも注目してほしいのが、自分が選んだ金融機関に支払う手数料である「運営管理手数料」です。
運営管理手数料は最近では「無料」としている金融機関も多いですが、一方で毎月400円程度かかる金融機関もあります。1カ月分だけ見るとわずかな差に見えるかもしれませんが、30年続くと考えるとその差は15万円近くになります。
今、もし運営管理手数料がかかる金融機関でiDeCoに取り組んでいるなら、移換時手数料(4000円程度)がかかったとしても、他社に移換したほうが長い目で見たときにコストを抑えられます。
運営管理手数料は長期間ずっとかかり続けるものなので、無料かできるだけ低い金額の金融機関を選ぶのがよいでしょう。もちろん手数料だけでなく、iDeCoの運用商品のラインアップもあわせて確認して選ぶことが大事です。
iDeCoの運用商品の代表格は投資信託です。続いて、③投資信託の信託報酬について、どのようなケースであれば金融機関の変更を検討すべきか解説していきます。
上表③の「投資信託の信託報酬」とは、投資信託を保有しているときにかかる手数料です。
これも②口座管理手数料と同様、長期間にわたってずっとかかり続けるタイプの手数料ですので、できるだけ低コストに抑えておきたいもの。同じような運用成績でも、このコストを抑えられれば、自分の手元に残る利益をより大きくすることができます。
iDeCoで運用できる商品のラインアップは金融機関ごとに違います。信託報酬が高い投資信託ばかり取り扱っている金融機関は、新しい商品を導入していない、もしくは口座開設者より金融機関側の利益を重視している可能性が高いです。
もしそんな金融機関を利用しているなら、より信託報酬が低い投資信託を取り扱っているほかの金融機関に移換することを検討してみましょう。
信託報酬を確認する際には、単に数字だけ見るのではなく、同じ投資対象・同じ投資方針の投資信託の中で比較します。信託報酬の目安は以下のとおりです。
投資信託の種類 | 信託報酬 |
---|---|
国内株式インデックス型ファンド | 年0.15%~0.7% |
国内株式アクティブ型ファンド | 年0.7%~1.8% |
海外株式インデックス型ファンド | 年0.1%~1.0% |
バランス型ファンド | 年0.15%~1.5% |
気になる金融機関が各ジャンルの最安値クラスの投資信託を取り扱っているかどうか確認してみましょう。
以上から、iDeCoを移換するなら、口座管理手数料が無料、かつ信託報酬が低い投資信託の取り扱いがある金融機関が適しているといえるでしょう。
iDeCoの口座変更先として適している「運営管理手数料が無料」かつ「信託報酬が低い投資信託のラインアップがある」という条件を満たす金融機関を3社ピックアップしました。まだどこに変更すべきか迷っている人は、参考にしてみてくださいね。
運営管理手数料 | 無料 | |
---|---|---|
手数料 | 加入時・企業型からの移換時 | 無料 |
他の運営機関からの変更時 | 無料 | |
iDeCo対象商品 | 投資信託 | 37本 |
その他(定期預金・保険) | 1本 |
SBI証券はiDeCoの口座数が50万口座以上で、トップクラスの加入者数を誇るネット証券です。
運営管理手数料が無料であることはもちろんですが、多くの人から選ばれるだけあって、選択できる投資信託が充実しています。
たとえば同社系列の運用会社が提供する「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」や「ひふみ年金」は、同ジャンルの中でも特に信託報酬が低く最安値水準ともいえる投資信託で、人気が高い商品です。
また、SBI証券では商品選びで迷ってしまう人のために「SBI-iDeCoロボ」というサービスを提供しています。これは、かんたんな質問に答えていくだけで、SBI証券で扱っているiDeCo商品の中からどれが向いているか診断できるというものです。
iDeCoで金融機関を変更すると、またあらためて商品選びや配分を考えて設定する必要が出てきますので、こうしたサービスを試してみるのも一案です。
運営管理手数料 | 無料 | |
---|---|---|
手数料 | 加入時・企業型からの移換時 | 無料 |
他の運営機関からの変更時 | 無料 | |
iDeCo対象商品 | 投資信託 | 31本 |
その他(定期預金・保険) | 1本 |
楽天証券も、SBI証券と同様に人気の高いネット証券です。
口座管理手数料はもちろん無料です。選べる商品の数だけ見るとSBI証券より少ないですが、低コストで運用できる「たわらノーロード」シリーズや人気の高い「楽天・バンガード・ファンド」シリーズなどの投資信託を取り扱っています。
楽天証券のiDeCoは、初心者にやさしいのも特徴です。
無料で学べるセミナー動画やガイドブック、実際に楽天証券の社員が積み立てている商品や配分を公開しているコラムなど、さまざまな情報が発信されています。まだあまり知識がなくて運用に自信がない人でも、楽天証券なら取り組みやすいのではないでしょうか。
ちなみに、楽天証券ではiDeCoの資産とそれ以外の通常の投資資産を1つのIDで管理できます。いちいち別サイトにログインする手間を省いてかんたんに運用状況を把握できるため、iDeCo以外で楽天証券を利用中の人にも便利ですよ。
運営管理手数料 | 無料 | |
---|---|---|
手数料 | 加入時・企業型からの移換時 | 無料 |
他の運営機関からの変更時 | 無料 | |
iDeCo対象商品 | 投資信託 | 39本 |
その他(定期預金・保険) | 1本 |
松井証券も、運営管理手数料をかけずにiDeCoに取り組める証券会社です。創業100年を超える老舗ですが、現在は店舗を持たないネット証券として営業しています。
松井証券のiDeCoは、選べる商品数が業界最多水準の40種類となっています。ラインアップも特徴的で、「eMAXIS Slim」シリーズを筆頭に、特に人気の高い低コストのインデックス型ファンドの種類が豊富です。
具体的には、「たわらノーロード」、「楽天・バンガード・ファンド」、「iFree」、「One DC」などのシリーズも取り扱っています。
選択肢が多いので、特に「低コストのインデックスファンドで運用しようとは決めているけど、まだ具体的にどれにするかは選べていない」という人に合うでしょう。
ちなみに、松井証券は電話でのサポートにも定評があります。
口座を持っていなくても利用できる「マネープランサポート」や、投資信託全般に関する質問に専門スタッフが答える「投信サポート」のほか、パソコントラブルに対応してくれる窓口もあります。もちろん、iDeCo専用の窓口も用意されていますよ。
ここからは、iDeCoで金融機関(運営管理機関)を変更する際の具体的な手続き方法について見ていきましょう。
金融機関によって多少違う場合もありますが、基本的には以下のような流れで手続きします。
↓
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各ステップについて詳しく解説していきます。
iDeCoの金融機関変更は、Web上では完結できません。今のところ書面でのやりとりが必要になりますので、まずは手続きのための書類を取り寄せましょう。
変更先の新しい金融機関の公式サイトから申し込む、もしくはコールセンターに電話すれば「加入者等運営管理機関変更届」などの必要書類を自宅に送ってもらえます。
請求した書類が届いたら、中身を確認して記入、そして返送します。
加入者等運営管理機関変更届には、氏名・住所・基礎年金番号などを記入します。運転免許証やマイナンバーカードなどの「本人確認書類」の写しを同封するよう求められることも多いです。
このタイミングで、金融機関変更後の掛金の配分や移換する資産の配分についても設定します。スムーズに手続きするため、今までの積み立て分とこれからの積み立て分、それぞれどう運用していくのか早めに考えておくとよいでしょう。
この書類が処理されるまで1~2カ月はかかります。書類の記入ミスや記入漏れがあると余計に時間がかかってしまうため、送る前に丁寧に確認しましょう。
返送した書類は変更先の金融機関を通して国民年金基金連合会(iDeCoを運営している団体)に送られます。ここでは「2つ以上の金融機関で加入していないか」などのチェック(審査)が行われ、問題なければ手続き完了となります。
審査が完了すると、金融機関から以下のような書類が届きますので確認しましょう。
移換する資産(今まで積み立ててきた資産)の配分指定を書類返送の時点で行わなかった場合は、この段階でサイトにログインして商品を指定しておきましょう。
指定しないままだと、自動的に金融機関が定めた方法で運用されるなど、自分の意思とは違う運用になってしまう場合があります。
新しい金融機関への変更手続きが終了すると、以前の金融機関の加入者用サイトは使えなくなります。
前述のとおり、移換時に資産がいったんすべて売却されますが、それは金融機関が行うので自分でタイミングを選ぶことはできません。そのため相場によっては損することも(逆に得することも)あります。
iDeCoでは長期運用が前提なのでそこまで気にする必要はありませんが、損をする恐れが気になる人は、あらかじめ全額を自分で元本確保型商品である「定期預金」に移し替えておくという方法もありますよ。
iDeCoでは金融機関の変更が可能で、手続き自体は難しくありません。ただ、安易に変更するのは避けたいところです。
変更にはかなり時間もかかりますし、手数料がかかる場合もあります。なにより、今まで積み立ててきた資産をいったんすべて売却する必要があります。
ただ、今利用している金融機関に不満があるなど、変更したほうがよい場合もあります。次の金融機関は変更せずに済むよう、慎重に選んだうえで手続きしましょう。
企業型確定拠出年金からiDeCoに移換する方法は?
金融機関に必要書類を提出して手続きしましょう。
企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた人が、それまで積み立てていた資産をiDeCoに移す(移換する)ためには手続きが必要です。
退職から6カ月以内に、iDeCo口座を開設したい金融機関に連絡して「個人別管理資産移換依頼書」や「個人型年金加入申出書」を取り寄せ、記入・返送しましょう。
iDeCo(イデコ)は一人一口座しか持てないため口座選びが重要。でも、多くの金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。そこで、分かりやすい基準として、iDeCo専門サイトNo.1の「iDeCoナビ」でよく見られている金融機関と、独自サービスがある注目の金融機関をご紹介します。
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iDeCo(個人型確定拠出年金)の移換、口座変更すべきケースと手続き方法を解説
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