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つみたてNISA(積立NISA)や一般NISAを始めてみたものの、「途中で解約したい」と思う人もいるでしょう。つみたてNISA・一般NISAの口座は基本的にいつでも解約可能です。ただし解約にはデメリットや注意しなければならないことがあります。
そこで今回は、つみたてNISA・一般NISA口座の中途解約について、デメリットや注意点を解説します。解約の方法などもご紹介するので参考にしてみてください。
目次
つみたてNISA(積立NISA)・一般NISAは非課税期間中に原則いつでも解約できます。ただし、非課税期間中に途中解約するとデメリットがあるため、注意が必要です。
つみたてNISAや一般NISAの途中解約による主なデメリットは以下の2つです。
つみたてNISA(積立NISA)と一般NISAには、1年間で積み立てできる金額の上限(非課税投資枠)と、投資で得た利益に税金がかからない優遇期間(非課税期間)が決められています。
それぞれの非課税投資枠と非課税期間、投資できる商品などは下表の通りです。
つみたてNISA | 一般NISA | |
---|---|---|
1年間の上限額 (非課税投資枠) |
40万円 | 120万円 |
非課税期間 | 20年 | 5年 |
最大いくらまで非課税で 運用できる? |
800万円 | 600万円 |
何に投資できる? | 投資信託※1 (ETF※2も含む) |
個別株式、 投資信託など |
つみたてNISAや一般NISAを解約すると、上記の残りの非課税期間がムダになってしまうのです。例えば、つみたてNISAで2020年に40万円投資した投資信託を2030年に売却すると、残り10年間の非課税期間を使い切れなくなります。
また、つみたてNISA・一般NISAで投資した商品(投資信託や個別株式)を売却しても、すでに使ってしまった非課税枠は復活しない点にも注意しなければなりません。
つみたてNISA・一般NISAを途中解約すると、節税しつつお得に投資できるメリットをフル活用できなくなります。一時的な値動きに惑わされて解約するのではなく、このようなデメリットも踏まえた上で慎重に解約するタイミングを検討しましょう。
つみたてNISA(積立NISA)・一般NISAを途中で解約すると、複利の効果の恩恵を得られなくなるというデメリットもあります。複利の効果とは、投資で得た利益を再び投資にまわすことで利益が利益を生み、雪だるま式に資産が増えていく効果のことです。
つみたてNISAと一般NISAでは通常利益にかかる20%ほどの税金がかかりません。投資で得た利益をまるごと再投資できるので、複利の効果をより得やすくなるのです。
さらに、複利の効果は運用期間が長くなるほど恩恵を受けやすくなります。特につみたてNISAは非課税期間が最長20年と長期運用に適した制度です。途中で解約してしまうとこのメリットが失われてしまう点にも注意が必要です。
つみたてNISA(積立NISA)は利益を出しやすく、損をしにくい仕組みになっています。途中で解約してしまうとそのメリットも生かせなくなることを覚えておきましょう。
というのも、つみたてNISAは最長20年という長期にわたって、投資信託に毎月最大で3万3000円ほどを積み立てて資産運用する仕組みです。日々価格が変動する投資信託を決まった額だけ購入しつづけるため、購入価格を平均化し、大きな損失を出しにくくする効果があります。
この購入方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれるもので、投資のリスクを抑える「分散投資」という投資手法の一種です。
つみたてNISAを短期間で解約すると分散投資による効果が十分に得られないため、思ったような利益を得られなかったり、損をしてしまう可能性が高くなったりすることを覚えておきましょう。
つみたてNISA(積立NISA)と一般NISAを始めるには専用口座(以降、NISA口座)の開設が必要ですが、口座管理手数料など口座を維持するためにかかるコストは発生しません。もし投資を続けるのが難しいなら、新たな投資や積み立てをストップして、保有している資産をNISA口座で持ち続けるという方法も一案です。
先述したようなデメリットもあるため、特別な事情がない限りは無理に解約するのはあまりおすすめできません。
もしどうしても解約したい場合は、以下のような点に注意しましょう。
つみたてNISA(積立NISA)・一般NISAを解約する年にすでに積み立てを行っている場合、原則翌年にならないと積み立てを再開できません。
たとえば、1月にNISA口座を解約して同じ年の5月に再びNISA口座を開設しようとしても、その年の非課税枠を一度でも使っていれば(積み立てを行っていれば)、翌年にならないとNISA口座を再開設できないのが一般的です。
また、つみたてNISA・一般NISAの金融機関を変更したいというケースでも、その年の非課税枠を一度でも使っている場合は原則、次の年まで金融機関を変更できません。
なお、つみたてNISAは自動で積み立てる設定になっていることが多いです。年の途中で解約したいと思ってもすでにその年の非課税枠を使ってしまっていてすぐに再開できない、というケースも少なくありませんから、つみたてNISAの解約時は特に注意しましょう。
つみたてNISA(積立NISA)・一般NISAを途中で解約する場合、すでに保有している資産(これまで積み立てていた投資信託や個別株式)は以下のいずれかの方法で整理する必要があります。
つみたてNISA・一般NISAを解約する際、保有している資産はいったんすべて売却するか、NISA口座を開設している金融機関の証券口座(課税口座)に移す方法があります。
保有資産を売却する場合は、そのタイミングによって損失が出る可能性があるので注意が必要です。解約を急ぐ理由がなければ、損失が出ないタイミングで解約することをおすすめします。
保有資産を売却せずに、NISA口座を開設している金融機関の証券口座(課税口座)に移すことも可能です。ただし、証券口座へ移した後に資産を売却して利益を得た場合には、20%程度の税金がかかります。
つみたてNISA・一般NISAの口座解約自体には一般的に手数料はかかりません。ただし、保有している商品を売却する際に手数料がかかる場合があります。
たとえば、つみたてNISAの対象となる投資信託は解約手数料がかからないことが要件になっており、ネット証券などでは「0円」とされていることも多いです。ただし、解約手数料とは別に、換金額から差し引かれる「信託財産留保額」がかかる場合があります。
また、一般NISAの対象となる商品(株式など)を売却する際も手数料がかかることがあります。料金設定は金融機関ごとに異なるので、各金融機関のNISAのページやFAQ(よくあるお問い合わせ)などで、事前にチェックしておきましょう。
つみたてNISA(積立NISA)・一般NISAの途中解約は基本的に以下4つのステップで手続きが完結します。
つみたてNISA(積立NISA)・一般NISAを解約する際は、NISA口座で保有しているすべての資産を売却するか、課税口座に移す必要があります。売却する際はその金融機関のルールに従って、口座に残高が残らないよう売却しましょう。
課税口座(一般的な証券口座)に保有資産を移す場合は、NISA口座を開設している金融機関に申し出ます。手続き方法は金融機関によって異なるので、各金融機関のカスタマーセンターやWebサイトの問い合わせフォームから問い合わせましょう。
次に電話や専用サイトなどから、NISA口座を解約したい旨を連絡して必要な手続きを行いましょう。具体的にはNISA口座を開設している金融機関に「非課税口座廃止届出書」を提出する必要があります。
解約の申請方法は金融機関によって異なります。主なネット証券の連絡方法を下表にまとめたので、参考にしてみてください。
金融機関 | 解約の連絡方法は? |
---|---|
SBI証券 | カスタマーサービスセンターへ連絡 |
楽天証券 | 明記なし |
松井証券 | 松井証券顧客サポート(電話)またはお客様サイトより連絡 |
auカブコム証券 | お客様サポートセンターへ連絡 |
マネックス証券 | コールセンターへ連絡 |
解約の申請方法は、基本的にNISA口座を開設している金融機関のFAQで確認できます。まずは「NISA」「解約(または廃止、閉鎖)」などのキーワードで口座解約の申込方法を検索してみましょう。
具体的な申込方法が見つからない場合は、NISA口座を開設している金融機関のコールセンターなどで問い合わせましょう。
「非課税口座廃止届出書」を紙で提出する場合、NISA口座の解約申請を行った後に書類が送られてきます。指示に従って必要事項を記入し、返送しましょう。非課税口座廃止届出書には以下のような情報を記入する必要があります。
また、本人確認書類やマイナンバー確認書類のコピーの添付も必要です。金融機関の窓口で解約手続きを行う場合は、届出印やキャッシュカードなどの提出を求められる場合もあります。
必要書類を返送して所定の手続きが済んだら、「非課税口座廃止通知書」が送られてきます。この書類が届いたらNISA口座の解約は完了です。
1週間~2週間程度で手続きが完了することが一般的ですが、記載内容に不備があると書類の返送や確認などで時間がかかる場合があるので注意しましょう。
非課税口座廃止通知書は再度NISA口座を開設する際に必要なので、基本的に捨てずに取っておくことをおすすめします。
また、NISA口座だけでなく証券口座(課税口座)も同時解約する場合、専用ページにログインできなくなることが一般的です。過去の取引履歴なども確認できなくなる可能性があるので、必要に応じて取引内容をメモしておくなどしましょう。
つみたてNISA(積立NISA)・一般NISAは途中解約しても、再び口座を開設することができます。ここからは、SBI証券のNISA口座の再開設に必要な書類とおおまかな手順をご紹介します。
●つみたてNISA・一般NISA口座の再開設に必要な書類(SBI証券の場合)
●つみたてNISA・一般NISA口座の再開設の手順(SBI証券の場合)
NISA口座の再開設が完了すれば、新たに積み立てを開始できます。
ただし、先述した通り、解約するまでに使ってしまった非課税投資枠は復活しない点には注意が必要です。また、NISA口座を解約した年に再び口座開設しようとしても、すでにその年の非課税枠を一度でも使っていれば翌年にならないと再開設はできません。
NISA口座では、年単位で金融機関を変更できます。たとえば、現在利用している金融機関に不満があって、つみたてNISA(積立NISA)や一般NISAを途中解約したいのであれば、他の金融機関に口座を移すのも一案です。
ここでは、他の金融機関からSBI証券にNISA口座を変更する場合の必要書類や手順をご紹介します。
●つみたてNISA・一般NISA口座の金融機関変更に必要な書類(SBI証券の場合)
●つみたてNISA・一般NISA口座の金融機関変更の手順(他社→SBI証券へ変更する場合)
なお、NISA口座の金融機関変更は手続きできる期間が決まっています。具体的には、金融機関を変更する年の前年10月1日~その年の9月30日までに届け出なければなりません。
ただし、金融機関を変更したい年の非課税枠を一度でも使っている場合、その年にNISA口座の金融機関を変更することはできません。10月1日以降に翌年のNISA口座の変更を申込みましょう。
つみたてNISA(積立NISA)は解約したらどうなりますか?
つみたてNISA(積立NISA)の口座を解約すると、最長20年間の非課税枠が使えなくなります。通常投資で得た利益にかかる20%程度の税金を節税できるチャンスがなくなってしまうのです。
また、つみたてNISAでは長期間一定額を積み立て続けることで投資のリスクを抑える効果が期待できますが、このようなメリットもなくなってしまいます。
もし積み立てを続けるのが難しければ、新たな積み立てだけを停止して、すでに投資した分の資産は非課税期間が終わるまで、もしくは目標の金額に達するまで持っておくという方法も検討してみましょう。
NISA口座は口座管理手数料がかからないので、すぐに引き出す理由がなければ無理に解約する必要はないでしょう。
一般NISA口座を解約したらどうなりますか?
一般NISA口座を解約すると、その後は年間120万円の非課税枠が使えなくなってしまいます。投資期間が短ければ複利の効果も少なくなります。
すぐに現金化したい場合や、目標金額に達した場合など、保有資産の売却が必要なこともあるでしょう。しかし、NISA口座の資産をすべて売却したとしても、口座を持ち続けることはできます。
非課税枠が残っていれば新たな投資が可能なので、資金を引き出したい場合は売却だけしてNISA口座は解約しないで新たに資産運用を始めるという方法も検討しましょう。
つみたてNISA(積立NISA)・一般NISAの口座はいつでも解約できますが、デメリットもあります。特につみたてNISAは短期間で解約すると、投資のリスクを抑える効果(複利効果、分散投資の効果)が減ってしまうので注意が必要です。
途中解約を行うと、節税しながらお得に投資できるメリットを十分に活かせなくなってしまいます。デメリットを十分理解したうえで、解約を検討しましょう。
新たな投資や積み立てが難しいなら、口座を解約するのではなく、今後の投資だけを停止して、これまでに投資した資産は非課税期間(つみたてNISAは20年、一般NISAは5年)が終わるまで持っておくという選択肢もありますよ。
いざ、NISAを始めよう!と思っても、数ある金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。そこで、多くの人に支持されている金融機関を、独自のサービスやおすすめ情報と併せてご紹介します。
SBI証券
松井証券
auカブコム証券
楽天証券
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つみたてNISA・一般NISAを途中で解約したい!デメリットや注意点、方法を紹介
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